当社も今年で62周年を迎えることができました。 長い歴史から見れば、たかだか60数年。規模も大きくはない当社ではありますが、知恵を集め合い、勇気をもって決断しつつ、全力で事に当たって参りました。その間、成功も失敗もありましたが、いたずらに大きさを求めず、創業の理念でもある「企業は永遠」というテーマを追求し、実践してきました。
私が社長に就任した平成5年10月は、創業以来初の赤字決算が2期連続で続いており、計画していた株式公開も流れ、正念場を迎えておりました。 その当時の最大の問題点は活力不足にあり、特に管理者層は自主性に欠けるきらいがあり、与えられた範囲の仕事を遂行するだけで満足していることが少なくありませんでした。 こうしたことから同年11月、管理職以上を対象に管理者協議会を開催することにしました。 協議会は現在の組織体制、責任・権限、採算管理、生産の海外展開、改善活動などの基本的問題について、グループ別に討議をし、意見の発表をするという形で進められました。 協議会で出た課題を翌期の重点方針に盛り込み、全社一丸でのコスト削減や新製品開発及び、より効率的な制度への変更を進めた結果、翌期より黒字に転換することができました。
業績が悪化する以前からも新製品の開発、海外規格の取得、海外への進出と、新たな課題に真摯に取り組んでまいりました。しかし、市場や得意先の要求、働きかけに応じる受け身の形でやっており、残念ながら市場の要求を嗅ぎ取り、自ら企画立案して得意先に提案し、働きかけたというアクティブな動きはあまりありませんでした。 そこで、「存在感のある企業へ」をスローガンとし、受け身からアクティブ・チャレンジな企業風土への転換を図りました。しかし、「アクティブになろう、チャレンジしよう」と口で言っているだけでは何も変わらないわけでして、そこにはトータルでアクティブになるための仕組みが必要でした。 具体的な取り組みの1つとして、目標管理システムという仕組みを構築しました。受け身ではない、仮に失敗したとしても許される仕組み、ノートライ、ノープレイを許さない仕組みです。
このような活動を通じて、当社グループは時代をキャッチアップするためのアクティブな風土を目指しています。 現在、創業の理念「企業は永遠」は、基本理念「わが社は、世界水準の製品を創り出すことにより、持続的な成長を遂げ、永遠の存在を目指す。」という言葉に置き換えられ、その思いを引き継いでいます。 今後も、「永遠の存在」であるため変化を厭わない、アクティブ・チャレンジな企業風土創りに邁進してまいります。