ホーム La strada トップ 第22回

当社は昭和22年創業、日本電信電話公社納入メーカとしてスタートして以来、通信用ケーブルを手掛けてまいりました。昭和63年からLAN用ケーブル、アッセンブリ加工品の製造販売を開始し、お蔭様で今年67周年を迎えることができました。このたび昭和化成工業様に経験を踏まえた信条を書く機会をいただき、少ない経験ですが省みることができました。感謝申し上げます。

企業の将来を考える

 私が入社したのは平成8年、当社が創立50周年記念の年でした。当時社長であった亡父が式典の挨拶で「当社もやっと50年、これからさらに50年、100年企業を一緒に目指しましょう」と言いました。その時とても違和感を感じたのを覚えています。50年後誰がここにいるのでしょうか。でも社長になって6年、その間いろいろなことがありましたが、今は経営者としての父の必死な想いが少しですが理解できるようになりました。縁あって一日の大半を共に過ごし、同じ目標に向かってチャレンジを続ける、それだけで出会いは奇跡です。その結果みんなで育んできた製品・企業文化は尊いという過去に感謝する気持ちと、そのDNAを未来永劫姿は変わっても残していこうとする気持ちがなくては企業の将来を考えることはできない。私はまだやっと入口に立てたところです。

喜びは満足を越えたところに

 「お客さまに喜んでいただける製品を絶えず提供する」が当社のモットーです。顧客満足と言いますが、喜びは満足を越えたところにあると考え、品質・納期・アフターフォロー・情報提供に努めよう、お役にたてる仕事をしようというのが埼玉県川越の地で社業を営み続けている私どもの目標です。

私にとって大事な仕事

 社長になったとき業界新聞のインタビューに応えて信条として「1人の100歩より100人の1歩」と答えました。今はさらに強くそう思っています。社員1人1人が役割を分担し責任を果たし協力することで企業として強くなれる。各人が力を発揮でき相乗効果が生まれるように仕組みを整え人財育成を進めていくのが私の大事な仕事だと思っています。

忘れられない上司の言葉

 社会人になって30年を越えました。これまで家族・恩師・上司・同僚・友人に恵まれ、多くのことを学びました。「恩返しは恩を受けた本人にしようと思っても無理、時代を経て他の誰かにお返しすればいいんだよ」と昔上司に言われました。そろそろ折り返し地点に立たないといけないと思っています。  忘れられない上司のことを思い出しました。学校を卒業したばかり新入社員の4月、職場生活ノートという週報を課長に提出していました。ある週に学んだこととして、責任感・協調性・自主性が大事だと書いたところ、「残念乍ら担当社員の中には責任範囲が少なくないことから責任感まで放棄してしまう場合がある。責任感だけは絶えずもちたいものです。」というコメントが書かれて戻ってきました。責任範囲が少ないではなく、少なくない=ある程度大きいです。当時は禅問答のようで理解できませんでした。責任範囲と責任感、今はとても重く感じる言葉です。そして新入社員に対しても真摯に向き合い忘れられない一言をくださったことは、あたり前のことではなく有難いことであったと感謝するとともに私もそのようでありたいと思っています。

お客さまに喜んでいただける企業を目指して

 当社に入社した平成8年から早いもので17年が経ちました。お客さま、お取引先様とのご縁は長く50年以上となりました。このご縁が続く限り、当社も続きます。「お客さまに喜んでいただける企業」であり続けられるよう、また仕事をとおして通信興業に関わる人たちの努力が報われ喜びを感じられるようでありたいと思います。

更新日:2014年12月1日

経歴

石橋 栄子(いしばし えいこ)

略歴

昭和34年生
昭和57年4月 日本電気株式会社 入社
平成6年2月 宇宙開発事業団(当時) 勤務
平成8年4月 通信興業株式会社 入社
平成13年6月 取締役調査部長
平成18年6月 常務取締役工場長
平成20年6月 代表取締役社長
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