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ホーチミン交通事情の変化

2019年5月10日

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地下鉄

ベトナムのめまぐるしい経済発展は周辺の交通事情から窺い知ることができます。
3年半前の2014年12月のブログでも地下1号線建設を取り上げました。
時の経過は瞬く間に過ぎると言われますが、まさに海外にいるとその実感は大きく、月日が経つという事は年齢も高くなるという事で、アンチエイジングケアに追われている日々を過ごしています。
3年半前には地下鉄も開通しているであろうと思っておりましたが、そう簡単にはいかなかったという事でしょう。
地下鉄1号線は、計画の変更などの理由で工事は遅れている様子で巷の噂では、その費用は計画当初の倍以上に膨れ上がっているとのこと。

さてここでおさらいです。ホーチミンの地下鉄は現在建設中と計画中の鉄道で、路線数は計画全体で6路線あります。
現在建設中の地下鉄1号線はベンタインとスオイ ティエン間で、接続距離約20km14駅に渡ります。
この地下鉄1号線は、日本の公的開発援助(ODA)事業による円借款が行われ、複数の日系企業が建設にも関わっています。
改訂された完成予定は2020年末ごろの1.5年後だと言われていますが、その進捗具合から見ると予定より遅れると思います。
開発計画の変更、計画当初の倍以上に膨れ上がった経費、工事費の支払といった諸々の事情が遅れの原因なのでしょうか。

一方で現地の人々は地下鉄の開通を今か今かと待ち望んでいる様子で、その期待は高まっています。
この国の主な移動手段はバイクで、出勤時間や帰宅時間には渋滞が起こっている深刻な状況の中で、このホーチミン市に地下鉄が導入されることは、渋滞問題の解決のみならず、排気ガス等の大気汚染から環境に配慮するという点でもその効果が期待され、生活環境・移動手段・消費の行動は大きく変わる可能性があると思います。

工事着工から1路線の工事に6年もの年月を要していることから単純計算で6路線が完成するのは35年後?となるのかわかりませんが、このインフラ事情の変化が長らく続いていくと考えると我が国日本との関係も含めて期待は膨れるところです。

高速道路

ベトナム全土では全長1,811kmの南北高速道路の建設が計画されており、その中で、ホーチミン市内から55km先に繋がる南北高速道路の始点区間の建設についても日本が深く関わっています。
著しい経済成長に伴い、高額所得者が増え、年々、自動車の普及が急速に進んでいます。
町で見かける自動車は、関税の関係で2倍以上もの値がする日本製あるいはドイツ製の高級車が普通に走っており、富裕層の多さにびっくりします。

日々の渋滞事情から感じ取れるのは、現時点で「既に道路網は飽和状態にあり、道路や地下鉄の整備とともに、高速道路の整備は重要な位置付けになっているもの」と思われます。
南北高速道路の始点区間を走行しますと日本と同じくETCを含む料金収受システムの導入と交通状況を自動把握するための車両検知システムが導入されているのがわかります。
このように日本のあらゆる技術が導入されている景色をみていますと日本に滞在しているような錯覚を起こすほどです。

河底トンネル

ホーチミン中心を流れるサイゴン川には河の底を潜るトンネルがあります。
そのような近代的なトンネルが既にホーチミンに存在していたことに驚かされました。
同トンネルもまたまた日本の公的開発援助(ODA)事業による円借款が行われ、ホーチミン市東西幹線道路(全長22キロ)の一部として建設されております。
河の下を潜り、1区と2区を結ぶトゥーティエム・トンネルの言う名称で、全長は1・49キロの6車線(片側、車用2車線でバイク用1車線)で、たくさんのバイクや車が利用しています。

ベトナム初の河底トンネルで、箱型のコンクリート構造物を地上で造り河底に沈めて施工したそうです。
このトンネルの開通による市内の交通渋滞の緩和や、経済発展、都市機能の構成が変化すると期待されているようです。
以前は向対岸の2区に渡る為、フェリーの乗船に並ぶ大量のバイクの姿があったのですが、このトンネルの完成でもうそれも見られません。
これまで日本のODAがベトナムの経済発展に果たしてきた役割の大きさに感激し、今後もベトナムの発展に貢献できることを期待したいと思います。

渡し船~古き良きベトナムの姿

上述の近代化とは相反しておりますが、ホーチミンではメコン川、サイゴン川を中心に多くの渡し船が存在します。
川が多くの支流に分かれ、運輸用、農作用の水路が網目のように張り巡らされているため船による移動はまだまだ盛んです。
渡し船はシンプルな作りのフェリーで、バイク・小型トラック・乗用車を効率よく載せられる構造になっております。
ホーチミンでは渡し船が重要な交通手段の一つになっており、橋梁を架けることは水路の交通の妨げになるとの考え方で橋の数は現在も多くはありません。
サイゴン川に架けられている橋梁は幹線の大きな道路しか無く、渡し船は必要な交通手段になっています。
乗船してみると非常にここちの良い風を受け、とても雄大な気持ちになります。

地下鉄・高速道路・河底トンネルなどの近代的な交通網の整備には日本の協力が大きく行われ、町並みは変化しています。
一方で、古き時代から長きにわたりベトナム人や物の移動手段として利用されてきた渡し船は残っており、個人的な思いではありますが、ベトナムの生活の一部に欠かせなかったものとして、良きベトナムの姿としてこれから先も残して欲しいものです。

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