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43年間一貫し保ってきた信条

 学校を卒業し実社会に出て43年経過していますが、その間一貫して保ってきた私の信条は「謙虚であれ」ということです。裏返すと私自身がいくつになっても「未熟」ということを意味しています。

「関係」の中で生きるということ

 私たちの暮らす社会は、会社であれ家庭であれ全て周りの人達との関係で成り立っています。そのような中で自分の主義・主張が必ずしも正しいとは言えず、自分の主義・主張のみで行動するということは他者との軋轢や摩擦を生み、どんなにすばらしい主義・主張でも結果的に他の人に理解してもらえないことが多々あります。

人間が持つ「驕りや傲慢さ」を考える

 人間とはもともと色々な「欲」を持っていますが、その「欲」が達成されればされるほど、自分は他よりも優れていると勘違いし、逆に「驕りや傲慢さ」が出てきてしまう動物といえます。
ちなみに私は、現在「社長」という職責にいます。「社長」は会社の中で一番偉い人と思っている人達が沢山いますが、果たして本当にそうなのかということを私は常々考えています。

人間という観点から見た「優れた人達」の存在

 確かに私は今、会社の組織上のトップの位置にいますが、それがそのまま会社の中で一番優れた人間といえるのでしょうか。決してそうではありません。即ち「社長」というのはあくまで会社における組織上の役割であって、会社内には社長の私よりも豊かな素養や豊富な知識、素晴らしい発想力や能力、卓越した行動力を備えている人達が沢山いると思っています。人間という観点からすれば社長の私よりも、その人達の方がずっと優れた人達と言えるでしょう。

自らの「未熟」さを認める「謙虚」な姿勢

 このため「社長」の役割は、会社の中で自分よりも優れた人達の持っている様々な力をいかに発揮させるかに尽きるのではないかと思います。その為には自分が常に「未熟」であることを認め「謙虚」になって他の人達の意見や考え方に真剣に耳を傾け議論を戦わし、その中で自分の主義・主張も理解してもらうことが大切なことだと考えています。
これからも私は生きている限りこの「謙虚であれ」との心構えは常に持ち続けていこうと心に誓っています。

更新日:2009年12月16日

経歴

小山 正孝(こやま まさたか)

略歴

昭和19年生
昭和42年4月 トリオ株式会社(現株式会社ケンウッド) 入社
平成10年6月 常務取締役に就任
平成15年1月 オーナンバ株式会社 入社
平成15年6月 常務取締役に就任
平成16年4月 代表取締役社長に就任 現在に至る
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