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弊社は、住宅・ビル・工場等で使用される電線・ケーブルを製造販売している、住友電工100%子会社です。 私は、2013年6月に社長に就任致しましたが、1981年住友電工入社以来、様々な部署での仕事や、様々な関係する会社、様々なお客さまとお付き合いする中で、企業にとって、もっとも重要なのは、優れた人材をいかに沢山もつか、いかに育てるかであると思っています。

人とのつながり

 私は、入社以来、電線の製造現場から、設計・開発/企画、工場管理、設備投資、対外的なお客さまとの技術対応まで、製造から販売現場の、ほぼ全ての業務を経験させて頂きました。 それぞれの部署で、様々な人と出会い、いろいろな場面で、いろいろな人に助けて頂きました。時には、先輩やお客さまからの厳しい指導や、また、周りからの励ましを受けながら、課題・問題を乗り越えてきました。 その当時は、あまり実感としてわいてきませんでしたが、振り返ってみると人とのつながりによって、育ててもらった、ありがたいと思っています。

様々な経験は将来の糧

 国内関係会社や海外駐在も経験させて頂きました。関係会社では、出向という立場で、その会社の人たちと一緒に仕事をしてきましたが、同じ年代でも、また、同じ経験年数でも、一人一人の能力に大きな差があり、それが、その会社の入社からの教育(制度、内容)が大きく影響することを経験しました。 小さな会社では、業績によっては、新規採用をあきらめざるを得ない、また、少ない人員での操業を余儀なくされ、まともに教育を受けられない状況となって、モノ作り基盤が脆弱になってしまうこともあります。結果、企業としての総合力が発揮できず、基本である安全・品質へも影響することになります。 OJT教育も重要ですが、モノ作りの基礎・基盤があって、初めてその人の能力を引き出せるものと考えています。 40歳を過ぎて、東南アジアでの製造拠点の強化として、初めて海外駐在を経験しました。海外では、言葉、習慣、食事、宗教等、生活環境が大きく異なり、現地の人たちとのコミニュケーションが難しくなります。現地の人たちにとって日本人は、教えてくれる人であり、生半可な教え方や的を得ていないやり方では、受け入れてくれません。改めて、教えることの難しさを感じるとともに、現地の人たちの学ぶことへの貪欲さを目の当たりにし、忘れかけていた初心を思い起こすことになりました。海外では、会社運営に幅広く関与する機会も多く、経営者として、どんな場面で何を考えて判断・決断していくかよい経験となりました。これらの経験によって、若い人が早い年代で海外経験をすることが、企業人としての人間形成上重要と考え、その後、積極的に若い人材を海外へ送り出すよう心がけています。

企業は存続しなければならない

 企業は、その企業に勤める従業員や家族、株主、その企業と関連のある企業のため、社会のために、存続しなければなりません。そのためには、常に前進する必要があり、その原動力は人材であると考えています。 また、企業のトップには、バランスのとれた判断力、決断の早さ、大胆さと緻密さ、先見性等が必要であると言われていますが、これはその人が、いままでどれだけ経験を積んできたかによるものと思っています。 いずれも、人であり、優れた人材をいかに沢山育て行くか、企業にとって、社会にとって重要な事であると思っています。

更新日:2014年1月27日

経歴

日浦 孝久(ひうら たかひさ)

略歴

昭和32年生
昭和56年 住友電工 入社
平成6年 住友電工 横浜産業電線工場長
平成12年 (インドネシア)スミインドカベル 取締役
平成20年 北海道電機(株) 取締役
平成23年 (インドネシア)スミインドカベル 社長
平成25年 住友電工産業電線(株) 社長
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